もくじ
イヤイヤ期がおきる理由
イヤイヤ期は1歳〜3歳くらいまでに好発する、着替えるのもイヤ、ご飯食べるのもイヤ、帰りたくない、お菓子買ってなどといって、激しい癇癪をおこしたり大泣きしたりする時期のことです。
個人差があるので5歳でもイヤイヤ期が続いているという子どももいます。
原因は自我が目覚めたものの、抑制機能を持つ前頭前野が未発達であること。
イヤイヤ期の前は、自分の母親がすべてで、自分と母親は同じ存在だと思っています。母親が行く場所に自分も当たり前のように行くし、母親が○○をしようね、というと自分は母親と同じだからそのとおりに行います。
しかし、1歳をすぎると、自分と母親が違う存在であると気付き、自分はこうしたいという主張が出てきます。
自分はこうしたい。でも、その気持ちを抑えられず我慢ができない。これによってイヤイヤしてしまうのです。
脳を調べてみると、イヤイヤ期の子どもに比べ、イヤイヤ期が終わった子どもは前頭前野が活発に動いていることがわかっています。ということは、前頭前野が発達するとイヤイヤ期がおわるといえそうです。
さて、この親にとっても子どもにとっても大変なイヤイヤ期ですが、「前頭前野を鍛える」ことが最速の脱出方法。
残念ながら即効性があるものはありませんが、癇癪が起きたときの対応については別記事(子どもの癇癪、科学的に正しい対応とやってはいけない対応)にまとめているので、そちらも参考にしていただければと思います。
前頭前野のトレーニング方法3選
(1)決まり(ルーティーン)を守らせる
前頭前野は、決まりを守ることではたらきます。
例えば食事の前に「いただきます」と言う、食事のときに椅子に座るなど、生活の中でのちょっとした決まりを守るだけでも前頭前野のトレーニングになります。
そしてこのときに褒めてもらえると、決まりを守る→前頭前野がはたらく→褒められる→また決まりを守ろうという気持ちになる、とどんどん前頭前野をトレーニングすることができます。
他にも、道路や横断歩道の歩き方、テレビは離れてみるなど、大人にとっては当たり前のことでも子どもが守っていたら、褒めてあげてください。
(2)遊ぶ時のルールを守らせる
遊ぶときにもルールを守ることで前頭前野がはたらきます。
例えば我が家では3歳の娘とブロックで遊ぶときに、父ちゃんと同じものを作ろう!というルールで遊ぶ時間をつくります。
こうすることで、娘は「自分の思い通りに作りたい」という気持ちを抑えて、楽しみながらルールを守ることができます。
このときに、子どもが自分でルールを作ってそれを守ることができると、より前頭前野のトレーニングになります。
(3)いないいないばあ
上記の2つよりも幼い頃からできるトレーニングです。
前頭前野にはワーキングメモリー(短期記憶)の機能があります。
いないいないばあは一度消えた顔がもう一度出てくる遊び。一度消えた顔を思い出すことになるので、ワーキングメモリーが鍛えられるのです。
幼い頃にいないいないばあをたくさんすると、ワーキングメモリーが鍛えられて前頭前野が発達し、イヤイヤ期が短く済むといわれています。
※ご褒美をあげる
実は、「ご褒美をあげるから頑張ってね」と言って我慢させる時も、前頭前野は鍛えられます。しかし、ご褒美のために頑張るということは、長期的に考えると子どもの好奇心を育む上で効果的ではないので、私はあまりおすすめしません。
イヤイヤしている子どもにやってはいけない対応
イヤイヤしている子どもに対してやってしまいそうな対応ですが、恐怖や不安で子供の行動を抑制するのは前頭前野のトレーニングにはなりません。
恐怖や不安を感じると、行動を抑制することはできますが、前頭前野ではなく扁桃体という部分が反応しているので、イヤイヤ期の対策にはなりません。
ただし、恐怖や不安はすぐに行動を抑制することができるので、命にかかわる危険がある場合は有効だと思います。