今回は、子どもが癇癪を起こしたときにやってはいけない対応と、科学的に正しい対応を紹介します。前回(子どもが癇癪を起こす原因~親を困らせたいの?~)の続きです。
やってはいけない対応3選
① 怒鳴る
癇癪を起こしている時点で、子どものストレスは限界をこえています。そこでさらに「落ち着きなさい」と怒鳴られ、ストレスをかけられると、子供は処理しきれなくなります。
② 無視する
子どもが癇癪を起こしているときは「助けて!」と助けを求めているときです。親しか頼れる人がいない子どもが親に無視されると助かる道がなくなり、絶望した気持ちになってしまいます。
③ 論理的に話す
脳内の情報がパンクした状態でさらに情報を与えても、子どもはそれを整理し受け入れることができません。父親がやりがちな対応です。
正しい対応2選
子どもが癇癪を起こしたときの正しい対応を2つ紹介します。どちらの方法も、まず子どもを落ち着かせることと、余計な情報を与えないということが大切です。
① タイムアウト法
子どもが落ち着ける場所に移動し、年齢プラス1分(3歳なら4分)座らせた後、状況を整理するという方法です。例えばスーパーで癇癪を起こした場合、階段など静かで人目のつかない場所に移動します。
この方法が特に有効なのは、
・自分が悪いと分かっている場合(落ち着けば整理できる)
・注目してほしいと思っている場合(大人を連れ出せて満足)
です。一方、見せしめのように、連れ出すことが屈辱になる場合は逆効果になってしまうので注意してください。
② 抱きしめる
物理的な意味でもメンタル的な意味でも包み込んであげるイメージです。
人間は抱きしめられると脳内にオキシトシンという、幸せホルモンとも呼ばれるホルモンが分泌されます。このホルモンはストレスを緩和し、気持ちを落ち着かせる効果があります。
オキシトシンは、肌が触れ合っている方がより分泌されるので、子どもが暴れてしまっているときもなるべく抱きしめてみてください。また、毛が生えている部分(頭など)を触ると快感物質が出るといわれています。